天牌についてアレコレ語るブログ 新宿代打ち決戦について~ラスト:『いつか見た風景』
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新宿代打ち決戦について~ラスト:『いつか見た風景』

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「もう一度強くなりたかった・・・」











実はこのサイトを立ち上げる際にブログ名を
どうするかっていうのを考えていたんですが
まず第一候補に挙がっていたのが、本日の記事の
タイトルだったりします。「いつか見た風景」って
絶対どこかで使ってやろうかと思ってたんですが
まぁ順当に天牌話ばっかりを書き記すことになった
ので、この回に至るまでのお話を延々と。


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入星さん登場の始まりは第2巻からでしたが、その時
っていうのは瞬ちゃんが天三荘で囲まれセットで
まさに勝ちすぎて殺られるかどうかって時なんですが
この時と次のお話では「何かすんげえ強そうな人」って
印象ぐらいしかなかったです。


そして実は遼ちゃん(もこの時初顔出し)の師匠筋の人
っていうのが分り、瞬ちゃん達とは上を行く人たちの
一人なんだなぁと思いました。そっからちょくちょく
登場するものの、大体は遼やチョイ強い奴等とは一線を
いっている描写が多く、本格的に闘牌するのはまだ先で
ありました。というかそんなに出張ってくるとは思いも
してませんでしたけどね。


そして知っての通り、一つの大きな闘牌である四川での
やり取りが開始されて、黒沢さんを始めとした天牌世界
での超一流達との戦いが、その時では最長にもなる程の
長く濃い闘牌が繰り広げられました。



今でもよく耳にするのが「四川や天狗での戦いはすげー良い」
ってことなんですが、まぁ今でも続いているお話は私的には
なんら遜色の無いと思ってはいますが、確かにこの時の闘牌
って天牌を語る上ではどうしても思い入れが強くなってしまい
ますよね。いや、私もそりゃあそうだなーとは思いますし。


ここで正直四川のお話を延々としててもしょうがねーので
来るべき時に語るまでですが、まぁそれぐらい凄いとしか
いえないわけですよ。



そんな四川を境に黒沢さんを始め物語が一気に動いてきます。
というかこの時期は大体が黒沢さんを中心にではあるんですが
キャラが動いていってるんですけどね。それと同時に入星さんも
我らが主人公瞬ちゃんにどんどん介入してきます。というか黒沢
さんが個別で動いているから、その代わりにといってはなんですが
瞬のアドバイザー的な役割に落ち着いていってきます。


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特に入星介入から天狗までの流れは、より瞬と入星さんの繋がりを
強くしていったりします。そういえば初出の時も瞬がいた場面だし
なんだかんだで一番深く関わっているよなぁと。



とはいえ入星さんも最初は瞬のことを軽く見ていると言うか、そんなに
重要視していないんですよ。だって最初の呼び名なんて”坊や”だった
んですよ(第13巻を参照)それが天狗での闘牌を得て、”瞬”に変わって
いったんですからどれだけ認められたものか。(ちなみに天狗の南三局
辺りでは瞬に変わっていってます)


そっから天狗以降でもちょいちょい瞬の良き導き役として出てきますが
肝心の大きな舞台では、四川以降さっぱり出てきませんでした。確かに
黒沢さんもいないし、誰と入星さんが戦うなんてあんまし考え付かない
ものだったんですが(伊藤での戦いは結構別物。あれは圧倒的すぎだし)
よもやの展開が舞い降りてきました。


遼が経営している雀荘「智美」での客のトラブルが相次ぎ、その元を
どうにか抑えろと入星さんに依頼がかかり、またしても四川同様トラブル
の処理に借り出されるわけですが、相手がなんと遼&津神のコンビで
当初は意外や意外と思ったものですが、振り返ってみると津神ぐらいしか
理由を付けて、戦うことにしかならなそうだってのがよく分ります。


そして新宿で頂点に登りつめた同士の戦いが始まりました。とはいえ相方の
星野も加えての入星ペアはまるで隙がなく、遼&津神のガタガタコンビの
チームプレーの無さもあってか、割合驚くほどにスムーズに3連勝、しかも
全部ワンツー奪取という、残り3回じゃあこれ逆転無理なんじゃねって所に
まで持っていきます。まぁこれだけで絶対終わらないとは思いましたが。


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3回戦を終わって、一段落着いたときに急に告げられる代打ちを退いた理由が
あるとか、遼が津神さんに言われて殺す覚悟を持てとか、徐々になーんか負け
フラグみたいなのが見え隠れしてきたんですが、決定的だったのが・・・




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今までの入星さんからは信じられない振込みをするんですよ



本当に急になんですよ。そもそも振り込むってイメージがあんましなかったし
いつでも冷静で入るようなひとだったのが、ここに来て四川の時でも見せた事
のないような表情で放銃を悔やんでいるんですよ。しかもその前のページでは
さほど警戒している様子もなかったんですよね。あれ?そんな人だったっけ?


しかしそっから一気に転げ落ちるように落ちていき、ピンチの表情が常に
纏わりついていってます。挙句には代打ちを引退した理由まで明かされます。
持病があって、それで麻雀に支障を来たすから退いたと。そしてその持病が
今まさに発症して、苦しめていると。なんだこの完全敗北フラグはー!と
思う次第でありました。


とはいえ単純に話が進むわけでもなく、一進一退の攻防で遼&津神のコンビも
なんとかワンツートップ2回をとり、ようやく届くかって言うところまで来て
最終戦まで漕ぎ着けたわけですが、ここまでの圧倒的差を覆されつつあるのか
流れは遼達のほうに向いていってきます。



最終戦が始まってたった3局目で捲くられます。完全に星野さんは潰されて
入星さん一人でどうにかしないとならなくなりました。後一歩で入星を殺せる
というところまで遼は追い詰めるんですが、起死回生の手を入星さんも作ります。



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「このいっときだけでも あの瞬の溢れんばかりの力が
 欲しいと望むのは贅沢と言うものなのか・・・」




ここで瞬の名を出すか入星さんよ。そして場面が大阪で瞬が麻雀を打っている
姿が、なぜか入星さんには眩しく写っているように見えるのは、私の気のせい
じゃあないだろうと思っています。


そして四暗刻ツモで一気に差を広げるわけですが、普通の勝負だったらここで
終わったも同然なんですが、さすがにここまで肉薄してきただけあってか遼も
図太く食い下がってきます。思えば遼の師匠筋に当たる人なのに、全くそれ
らしいことをして来なかったわけですが、ここにきて遼の成長を認めてしまう
のが瞬にしろ遼にしろ、次世代の奴等に道を譲ろうとしているのではないかと
そう考えたくもあります。



そしてオーラス。
正直差は結構途方も無いぐらい離れているんですが、ここにきて本領発揮の
津神さんが無双し始めます。あんたこの時の為に溜めてたんじゃねーのかと
思うぐらいに。


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たった3局で捲くったし。



しかもその牌が⑦筒とかどんだけ運命的なのさ。とも思いましたが、チーム
としてはまだ完全に捲くったわけではないので、あとは遼がどうにか入星さん
のことを捲くれれば逆転できると言うところまでです。


次局、まさかまさかの配牌テンパイ(しかも3面張って)でポロっとどちらか
から出たら人和で終了とか、どんだけだよという状況だったんですが、ここで
星野が長考し必死になって打開策を打ち出します。


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思えば入星さんが落ちだす決定的になった振込みの時は、特に逡巡してなかった
んですよね。そこが今を戦っている者と、自分との違いなんだろうなと気づいて
しまったわけですが、同じことを遼にも感じてしまうわけでした。



ここまで決定的に自分と、他の3人との違いを自覚させられて、どう考えるのか?

その答えがこれでした





だから
だからこそ入星は初めて生きたいと思った



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前々回の記事でコンビが機能してねーだのなんだの書きましたが違うんですよ。
結局後のほうになってからは差し込むつもりとか全然なかったんだろうなって
のが読み取れるわけですよねこれ。ただの勝った負けただけでなく、自分の力で
どうにか勝ちたかったからこそなんですよね。でなきゃわざわざ上で星野を
テンパらせてる描写なんか書く必要ねーですもんね。


ただ、それを必死になって追おうとして、届いていないだけで。


これまでの入星さんってある種完璧な強さと揺るぎない部分がとても強い人だった
わけですが、こっからの入星さんはまるで初心者かのように、か細く描写されています。


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悩みに悩んで、酷く怯えた様子で打っております。思ったことは
「これが麻雀 だから麻雀・・・」と基本事項の事のように感じています。
そして己の最後を悟ったのか、最後に考えたことは・・・



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「もう少し麻雀やりてぇなぁ」




でした。その直後に遼にツモられ、延々と続いた勝負は幕切れとなりました。
入星さんの敗北と言う形で。



決着がついた後、過去を振り返り、己の成長が止まっていたことを後悔し
それでも、こう願わずにはいられなかった。もう一度津神と戦うことあらば



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「現役の打ち手として立ち向かいたい」




これがこの新宿での戦いを得て手にした、叶う事は無いと思う願いだろうと
思います。入星さんも負けた以上どうなるかは覚悟しているはずですから
この先、そんな展開にはなりえないだろうとは分っていたはずです。ですが
それでも、願わずにはいられないのは何のためであろうか?




全てが終わり、一人新宿の街を帰る入星さん。胸中は敗北に打ちひしがれて
いる中、悲劇は起こりました。




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以前伊藤での麻雀の時に逆恨みを買った臼田に、背後から撃たれました。

崩れ行く最中、思ったのはそこが、いつか見た風景だったってことです。



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薄れ行く中で、ここに黒沢さんがいたこと。瞬に会いたかったこと。

そして最後に思ったのは、麻雀のことでした。





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「もう一度強くなりたかった・・・」





生きたいと思ったのはこれからも麻雀を打ち続けたいと思ったから、

また現役の打ち手として戦いと思ったのは麻雀で負けたくないから、

心残りがあったのはもう一度だけ麻雀で強くなりたかったから、

最後に行き着く先は、どうやっても麻雀と共にありたかったから、





だからこそ願わずにはいられなかったんだと、入星さんは考えていたと思います。
最後の最後まで、麻雀をホントに愛してたからこそ。





夢も破れ、強さも失い、それでも麻雀に奉げようとした人生を、幸か不幸かは
分りませんが、少なくともただ純粋に麻雀のことだけをひたむきに最後まで追っかけて
いけた事だけは悔いはないんだろうなと、そぉ考えています。


長文になりましたが、天牌世界でここまで愚直に麻雀を追っかけた、入星祥吾という
キャラクターを忘れられないだろうなと思い、今回の記事を書いてみました。



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来賀 友志

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